溶剤管理③~ろ紙と吸着剤の寿命について
溶剤管理について…3回目です。
今日は、11月21日より発売開始となりました
宮商オリジナル吸着剤(活性炭+脱酸・脱水剤)
MICS カーボン5-A & B をご紹介致します。
MICSカーボン5-A & B は
今回の溶剤管理についての第1話にて、ご紹介させて頂きました
MICS フィルターA &B に充填されている吸着剤(活性炭+脱酸・脱水剤)を
5L単位でナイロンメッシュ袋に詰めたものです。
もちろん従来より、同様の商品の販売はしておりました。
しかし、今回、あえて宮商オリジナル商品として発売する事に。
その理由は、ちょうど1年ほど前にモデルチェンジをした
TOSEI 石油系ドライ機 DMI-164 を納品設置した際に
ちょっとしたトラブルがあったからなんです。
設置したドライ機、静電気センサーがなかなか落ち着かない。
ソープを結構入れましたが、それでもダメ…。
TOSEIさんに、『まさか、活性炭は入っていないよね?』と確認すると
470フィルター(活性炭入)2本はもちろん、活性炭が30L しっかりと
装填されていました。
それはそれで、有り難いことですが、活性炭量が多すぎます。
フィルター交換した後、しばらくの間、静電気センサーのアラームが鳴り響きます。
従来の機種だと、470が2本入るフィルターケースしかなく、
吸着剤とろ紙が一体となった、カートリッジフィルターを
使用するしかありませんでした。
このDMI-164から、フィルタータンクだけではなく
カーボン専用タンクが搭載されました。
先程の失敗を踏まえ、逆に使い方によっては溶剤管理がとても楽になるかも!
と思いました。
溶剤管理のためには
『フィルター交換は、できるだけ早目にやりましょう!』
皆様に、お声掛けをしております。
もちろん、皆様も出来る限り、そうしたい、と思っている事でしょう。
しかし、いざ現場では… どうですか?
フィルター購入、そして廃棄。溶剤のロスなどのコスト面。
それよりも、そもそも交換自体の手間。
重い、汚れたフィルターを抜き取る作業はとても面倒。
フィルター圧力はさほど上がっていないので、
あと1日、また今度で…もう少しフィルター圧力が上がってから…。
と、なりがちですよね。
特に繁盛期はあっという間に、次の交換時期になってしまう。
作業自体で大変お疲れの上に、フィルター交換。
嫌ですよね~。
カートリッジフィルター
従来は、吸着剤とろ紙が一体の物がほとんどでしょう。
交換のタイミングはというと…
フィルターの圧力を目安にしている工場が多いと思います。
機械メーカーさんも圧力計を見て交換と取説に書いてありますし…。
しかし、私はこう思います。
衣類からのチリ、ホコリなど、不溶性の汚れは以前よりはかなり少なくなっています。
そして、溶剤の循環量を増やすため、ドライ機のポンプ能力を上げていますので、
フィルターの圧力はかなりの回数、洗ってもさほど上がりません。
それに対して、汚れはどうか?確かに、昔ほどは汚さなくなっているでしょう。
しかし、ドライソープや前処理剤などの性能は向上しています。
ドライで『汗ぬき』をされている場合もあります。
汚れの量は幾分少なくなっているとしても、昔よりはその汚れ自体はよく落ちる様になっているはず。
事実、それjほど、洗浄回数を回していなくても、
溶剤の汚れは、かなり進んでしまうのが現実です。
汚れには、
不溶性の汚れと溶剤に溶け込んでしまう汚れがあります。
それぞれの汚れの除去に、ろ紙と吸着剤(活性炭など)が作用します。
そして、それぞれの汚れの量は比例しません。
要は、ろ紙と吸着剤(活性炭など)のライフ(寿命)は当然、異なります。
そうなると、ろ紙と吸着剤(活性炭など)は別々に使用した方が良いはず。
今回のTOSEI DMI-164 というドライ機はそれが可能になったのです。
しかも、吸着剤の充填量が30Lというのが、ちょうど良いのです。
470フィルター2本に充填されている吸着剤量はおおよそ30Lになるからです。
TOSEI DMI-164 は、以下のような使い方をしてください。
カートリッジフィルターケースには、濾過材(ろ紙)だけのフィルター
カーボンタンクには、吸着剤 MICS カーボン5-A×3袋 、MICSカーボン-B×3袋
これで、溶剤管理がとてもしやすくなります。
このドライ機であれば、
染料の流出などで、溶剤の着色が進んでしまった場合にも
カーボンだけを交換できます。
最近の状況を見ると、
極端に言えば、ろ紙のみのフィルター交換1サイクルの間に、
吸着剤(活性炭など)は2回交換してほしいくらいです。
そうすることで、溶剤管理が徹底できます。
脂肪酸の蓄積で溶剤が着色した場合には、取り除く事が非常に難しくなります。
吸着剤だけの交換ができると、今までに比べると非常に簡単に
かつ、コストも安く交換が可能になります。
溶剤管理の徹底がドライクリーニングのすべてです。
洗いを見直す事で、作業効率のアップ、収益改善、
お客様に喜ばれる品質、納期、サービスのご提供が可能になります。
私達クリーニング店が、クリーニング店である所以はドライクリーニングがあるからです。
ドライクリーニングを今一度見直しましょう!
大変長くなってしまいましたが、
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
MICSカーボン5-A & B は
TOSEI だけではなく、もちろん 山本製作所の
ドライ機でもご使用いただけます。
カーボンタンク搭載の、DO130F ,DO160F ,DO220F に、オススメです。
使用方法など、ご不明な点はご遠慮なくお問い合わせください。
E-mail info@cleaning-shizai.com
はクリーニング資材の宮商で絶賛発売中です。
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