溶剤中の水分が気になります
梅雨時に気になる、溶剤中の水分について考えてみます。
溶剤中の水分が増える原因は?
水溶性前処理剤等の使用はもちろんですが、大気湿度にも影響を受けます。
そして、被洗物(衣類)に含まれる水分(含水量)も、
溶剤中の水分濃度を上昇させる一因となります。
ちなみに、繊維の種類別含水量は以下の通りです(重量比)
【繊維の種類別含水量(湿度80%の空気中で)】
ポリエステル・・・約1%
ナイロン・アセテート・・・約4%
綿・・・約10%
絹・・・約14%
レーヨン・・・約17.5%
ウール・・・約20%
湿度80%のウール10㎏の含水量は 10㎏×20%=2,000cc
と言うことになります。
特に梅雨のこの時期、湿度80%~90%時にウール製品を洗うと
溶剤中の水分濃度が上昇し、適切な抱水能力のあるドライソープを
規定量チャージしないと、水分過多になり可溶化しきれない水分が
分離、乳化した状態になりトラブルを引き起こします。
ドライクリーニングにおいて、水溶性の汚れを落としやすくするためには
水を使用しなければなりません。
ただし、洗うたびに、少しづつ水分量が増えて行くことは避けなければなりません。
特に湿度が高いこの時期には、毎朝、乾燥したタオルケットやバスタオルを
10~15分洗って、水分除去を行うことが重要です。
毎朝の【タオルケット洗い】実践しましょう。
【ワンポイントアドバイス】
回収乾燥機をご使用されている場合ですが…
バケツに溜まった回収溶剤をベースタンクへ戻す際、
少し時間を置いて、水をできるだけ分離させてから
尚且、全部戻さずバケツの底にある少しの溶剤は
スラッジ等の産廃物と一緒に廃棄することで
余計な水分を増やすことがなくなります。
以上、ご参考になれば幸いです。
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